「SIRIUS」レビュー

上田現遺作集「Atlas」をアマゾンで買ったら、
リーフレットに現ちゃんのトリビュートアルバム「Sirius」の案内が
あって、翌日即買い。
これは裏バンドブームなラインナップで、半分くらい
私が当時CDを買ったことのある人だった。
だからすごく嬉しいのだけど、このアルバムは現ちゃんが亡くなったゆえに
できたもんであることを考えると、とても哀しい。
ピックアップして感想など。


01:元ちとせ「コリアンドル」
アジアな歌がよく似合う。


02:レピッシュ「ワダツミの木」
さすが。元ちとせのバージョンは、初々しい、無添加の純粋な感じなんだが、
マグミバージョンはとてもねっとりとした艶のある歌になってた。


03:奥田民生「プレゼント」
嬉しいなあ、シングルになってない、これを選んでくれたのか。
この曲大好き。タミオバージョンは、そんなにアレンジしてないようだった。
そういえばバンドブームのとき、タミオが恭一くんと髪型とか背格好が
似てるから、間違われた、という話をよく聞いたわ。


04:THE BOOMタンポポ(TOYS˘)」
宮沢和史」ではなく「THE BOOM」で、というのがうれしなつかし。
私の頭の中を、「宝島」「バンドやろうせ」「ロッキンオンジャパン
「パチパチロックンロール」がかけめぐる。
ミヤもよくレピッシュのインタビューの中で出てきてた。


05:BUCK-TICKハーメルン
BUCK-TICKに関しては音楽の趣味が全然違ったので
聞いた事は無かったので今回初めてちゃんと耳にした。
元祖、ビジュアル系。で、今のミュージシャンの猫の鳴くようなボーカルスタイルは
ここから来てるのか、と思う。
確か当時BーT(今井の頬にはこのペイント)とレピッシュが同じ
事務所だったんだよな。
歌詞の順番が違ってて、歌ってない部分がある。
原曲ではラストは
「こうして、僕の町のこどもたちは、ひとりもいなくなったのさ」
と、物語にオチがつく感じなのだけど、
BーTバージョンでは「砂嵐にも負けないマント着て 僕は家を出ていく」
で終っていて、この歌詞は頭から何度も繰り返される。
それが、この曲が終らない感じになってて、追悼の歌としての深みが出ていた気がする。
タミオやミヤみたいに、原曲の感じを変えないで
そのまま歌ってくれるのも嬉しいし、BーTみたいに
存分にアレンジしてくれるのも嬉しい。


06:東京スカパラダイスオーケストラ「ー6m」
変則リズムの、私の大好きな曲。
当時スカといえばレピッシュだったんだけどねー。


07:伊藤ふみお「夢のブランコ」
おお、この曲チョイスですか。渋いなあ。
歌詞では一番追悼の感がある「僕天国に行ったよ」


08:POLYSIS「歌姫」
そうそうこれも名曲。このミュージシャンは知らないけど
最近の人らしいアレンジで嬉しい。


10:筋肉少女帯水戸華之介「サイクリング」
これはすごく好きな曲で、筋少も大好きだったから本当に嬉しかった。
オーケンと水戸ちゃんがこれを選んだのがすごくわかる。好きそう。
投げっぱなしな世界観。
オーケンと現ちゃんが宝島で対談してたのを思い出す。
アレンジや歌詞の順番が筋少色がすごく強くて、
聞いてたら筋少を聞きたくなるくらい。
ここまで変えて歌い上げるのも思いの強さを感じる。


11:トモフスキーTHEピーズ「ドライブ」
夢の双子共演。このふた組がこのアルバムに参加してるのが
すごく意外で嬉しい。トモは私の大好きなミュージシャンだ。
このひねくれ加減がいいなあ。
また「ドライブ」という反道徳なアルバム収録のみの
曲を選ぶところが、らしい、というか。
9と12は割愛。


現ちゃんの活動がこうして終ってしまってさみしい。
祭りのあとのさわやかなさみしさ。