トリエンナーレ雑記

もうすぐ誕生日なので、
トリエンナーレに黙ってつきあう」というプレゼントにしてもらった。
モノより時空間が欲しかったの。


全部まわると疲れると思って、パフォーマンスより
インスタレーションがメインの2会場に絞った。
最初の郵船倉庫は一番目当てのマシュー・バーニーの作品があるので
行ってみたところ、15歳以下は入れなかった。
他にも映像作品はR15が多く、
夫がまずそれにちょっと怒ってた。
「ロシアンアバンギャルドは子ども向けの絵本を沢山作ったのに、
子どもを排除する前衛はけしからん」とかなんとか。
トリエンナーレに出品してる芸術家が社会や政治と
そないに密接ではないからね、どうしても個人的な閉塞感のある
作品になりがちにはなるか。
中西夏之は若者のひとりよがり的な場所から随分と遠く離れた
気持ちのいいインスタレーションだったが。大御所の貫禄があった。


それで思い出したのが「痛みは共有できないが気持ちいいことは
共感できる」という、エッセイ。誰が書いたかは忘れた。
痛々しく、不快な映像作品からは拒絶のメッセージしか感じられない。
それで「これがわからない自分はぼんくらなのか」と思うかも知れないが
まあそれが真っ当な感覚だろう。
郵船倉庫の作品を見て
「何も刺激を感じなかった」と言ってた夫はそれはそれでアリだ。


2番目の新港ピアは、子ども向けのガイドがあったりして、
かなり開放的な作りだったが、それでも映像作品が多いから
「白い部屋」と「暗い部屋」に別れる。
インスタレーションは「パフォーマンスの後」みたいな感じなので
実際制作しているところを見たかったなと。
ミケランジェロ・ピストレットの割った鏡も、
割る過程が本編だったと思うわ。実際どうか知らないけど。


それでも久々に今時の現代アートというものを
体感できたのは嬉しかった。
1人でゆっくり来ればまた違うのかもしれないけれども、
子どもと現代アートは良く似合うので
またムスメをつれて色々行きたいところだ。