ゴヤ

図書館に行ってなんとなくゴヤ特集の芸術新潮を借りた。
あら、私こんなにゴヤ好きだったかしら、とかなりじっくり
隅から隅まで読んだ。
昔、堀田善衛の「ゴヤ」全4巻を一気読みするという苦行をやったことがある。
そのときは読むだけで精いっぱいだし、当時は20世紀の画家が好きだったから
そのままスルーだったけど、思い返すと版画展に行ったし、
「巨人」「ボルドーのミルク売り」が来日したときも行っている、ということは
やっぱり何がしか惹かれるものがあったんだろうなあ。
詳しく知りたくてグランド世界美術を見たら、
当時主流であった宮廷画家という「注文画家」と今日の主流である「自己表現としての画家」
を「一生の間でスパイラルしながらたどった稀有な画家」ということである。
評価の高いのは後期の版画や「黒い絵」であるけれど、
注文された絵にもその片鱗が見え隠れして面白い。
芸術新潮ではスペインの政治の振り幅の極端さが
ついこないだのフランコ将軍までも引き継がれているということで、
ゴヤピカソ〜キャパとの共通点を挙げていた。
特にゴヤの「戦争の惨禍」とキャパの一連の写真と構図が似てて、
昔ちらっと聞いた「キャパやらせ説」のことを思い出す。
とはいえ戦争はやることはどこも同じではあるけどさ。
もう一度堀田善衛の「ゴヤ」を読みたくなったが、今どこで出してるんだろ。