久々六本木

10日人間ドックに行った。
保健組合の指定で、青山一丁目まで朝早く満員電車で行ったのだが、
最初電車に座れたけど、妊婦さんを発見したので譲ってそのあと
立ってた。妊婦さん毎日あの距離を通勤してるのかー、お大事に。
12時までに検査と食事(院内のレストランでのお食事券付ドックなのだ)が終わったので、
さてせっかくだから美術鑑賞でも、と思って調べたらエルグレコはちょと先で、めぼしいものが会田誠くらいしかなかった。しかし
幼い娘を持つものとしてあの作風がなあ、と躊躇したが
まとめて見る機会はなかなかないし、と思って
森美術館へ。
いきなり「女子高生切腹図」。思ったより派手。
女子高生というものがセックスシンボルであったのはもう
昔のことで、今はそういう感じのものすべてがAKBとそのあとに
出てきたユニットアイドルに持って行かれたので、
懐かしさも感じる。
アメリカンアート」というタイトルの、スポーツ新聞のフォントでの「桑田」って描いてあるだけの作品に腰砕け、そのあとの
「今年はヴィトンが豊作じゃー」という「ヴィトン」でへなへなーとなる。
「火炎縁ゴキブリ図」の横に、同じ構成の雑草の絵があったから
「まさか火炎縁雑草図じゃないだろな」と思ったらそのとうりで、
またまた腰砕け。
そのあとも「スペースうんこ」とかバカ作品のオンパレードでたまらんかった。
戦争画リターンズ」には圧倒される。こういう構成がまた憎し。
めちゃめちゃ絵がうまいんだもの。
自分にとって戦争が意味よりも情緒であると気づいた、との解説が。
そうなの、右とか左で考えるとこの一連はとても混沌としている。
情緒で描いたとすればなるほどと思う。
ビンラディンの映像やアメリカでの英語に対するデモ(というかほぼいちゃもん)、純粋理性批判の文庫すべてのページの落書き等、
よかったなあ。こういう「芸術しか無理」っていう人の
ピュアな衝動に触れた感じ。
何年か前に見た小谷元彦とはかなり違う。
18禁のコーナーではじっくり見たかったが
じっくり見てるところを人に見られるのもやや恥ずかしく、
さらっと流して出た。
とはいえあのへんはなんか、やっぱり、理解できん。


ちょっと前にまえだまえだ主演の「奇跡」を観た。
子どもが、あそこまで育っちゃうと
大人っておまけみたいなものよね。
弟がお母さんと話すシーンではお母さんと会うことの重みが
弟と母とで全然違うんだな。
兄って長男である分、もう一度皆で、って何か義務のように思ってるけど
弟は単純に「もうあんな暮らし(父親と母親が喧嘩してる毎日)いやなんやけどなあ」と言ってる。
新幹線が通過するときに叫んだ願い事のあとで
「一緒に暮らすことより世界を選んでしもうた」っていうけど
うん、それでいいと思うよ。


で、この是枝監督って時々台本なしシーンを入れるのだが
明らかに「ここは台本なしで大人が誘導してしゃべらせてる」って
分かっちゃうのが私はあまり好みではないのだ。