読書

ホワイトデーに夫からスプツニ子!の「はみだす力」をもらう。
彼女は「明るくハッピーなフェミニズム」でありたいという。
逆に考えれば、フェミが暗くて硬くておっかないものだと
解釈されがちということかもしれない。
上野千鶴子の色々を読むと、
望んでいるのは男と同じところまで並んで戦うことではなく、
弱い存在のまま権利を主張されてくれ、強者の都合で作ったルールで
押し込めないでくれ、男の基準で女を分断しないでくれ、
ということだとわかるのだが。
どういう形であれ、フェミは継承されて表現され続けてほしいなと思う。


そんな事を考えていたときに山梨市の講演会中止騒動である。
ハシモト市長以降、なんかエラソーに権力振りかざす長のつく人が増殖してるような気がする。オットとここ一年のあいだ
「ハシモトの劣化版みたいだね」と話し合ったことがけっこうあったもの。
こないだはなんだっけか、ああ、大阪の教育委員長だったか。
クロ現見てドン引きしたんだった。
友達が今年の春から大阪から東京に引っ越してきた。
彼女には二人の学童期の子がいるのだか、よかったね、と言ってあげたいよ。


結果も考えず、そういう勝手な振る舞いがどのように人々を傷つけるかを
見通せない。熟考も検証しない、つまり、ばか。
上野せんせいは有名人なので騒がれたが
バックラッシュの時代に受難にあったフェミニストは多かったという。
「毒婦たち」で上野せんせいは
フェミニズム暗黒時代の張本人はアベ政権。復活するのが怖くて怖くて」
と言ってた。
怖いもん知らず(イメージです)の上野せんせいがそないに恐れるって、
とびっくりしたけど、当たってるし。


ちょっと前に
「あんたたち研究者ってのはそうやって言葉をこねくり回して
なんか現場の役に立つことあんの」と文句言ったことがある。
(こういう考えを「反知性主義」ということを最近知った。猛反省)
でも最近は「なんかうまい言葉はないか、こういうことを上手に言える
思想ってなんだ」ともどかしいことが多い。
私もバカボンのパパと同じ41歳の春だから、この先読める本の数も限られるし
アタマがいつまでも柔軟であり続けるか自信もない。
だから本を読んで言葉を探していかないと
ただぼやっと、「なんかキライ」「なんかやな感じ」程度の
感想ですましていってしまう。それがやなんだな。


学者先生の仕事って、なんだかよくわからないこととか、
つかみどころがないくらいに大きなこととか、
逆に小さくても見過ごせないようなことに問を立てて
言葉を与えることだと思う。
実際介護の現場にいて、なんでこんなにツライんだ、報われないんだ、
この先に何があるんだって思わない人はいない。
そういう人たちが山梨で上野せんせいの言葉を待ってたと思うと
いきなりの中止って。。泣けてくるんだよなあ。

18日はたぶん中止のままなんだろうな。そしたら
もっと騒ぎがでかくなるのを、わからないのだろうか。
上野せんせいがWANのブログで呼びかけたように
情報公開請求他、使える制度を使い倒して勝ち取ってほしい。