まず、サンシャワー展のこと

サンシャワー展に夫と行った。
ASEAN10か国86組のアーティストの出品で、会場は六本木の森美術館国立新美術館

まず森美術館から。
大好きなアピチャッポン・ウィーラセタクン
「サンシャワー」という作品はチャイシリとの共作とのこと。エスカレーターを上ると、
横たわる巨大な白象が
頭上から眼下へと変わり、月を思わせる丸い光と重なる。
アピチャッポンの映像が好きなのでこういうインスタレーションは珍しなーと思った。
白象は聖なるものだとの解説。
が、後に白象はタイでは「迷惑施設」の意味もあり、
王様が気に食わない臣下にわざと贈るものとのこと。
贈られた家来は捨てることもできない白象の世話で財をつぶしてしまうからだ。
それを知って「アピチャッポーン!」としびれた。

アジア人のアイデンティティ、政治との闘い、記憶等をテーマに、解説も多く
分かりやすい展覧会だったため、
「解釈の自由さがあまりないね」と夫が言う。
「作品についてあれこれ語り合う感じのものではないね」とも。
ただ気になったのは、自国の歴史や圧政などのテーマのものをみるにつれて
「この人たちは自分たちの作品を、かつて自国を攻め入った日本という国で発表することを
どう思ってるのだろうな」と思った。
夫もそれを感じたようで
「歴史や政治を扱ってる作品は多いけど、日本に占領されたことに触れた作品はあれとあれくらいだね」
と言った。
そのうちの一つ、虎人間についての映像作品がよかった。
映像もよかったが、ナレーション(?)の声がよかった。

ぺかぺかした電飾の作品(センザンコウ)、赤い明りに祀られた大量の戦死者の仏壇
インスタレーションの中で面白かった。

カタログが手元にあればいいんだけど、この手の展覧会にありがちな
「開催してすぐにはカタログができてない」情態で、困る。
生き別れになったおばあちゃんの話の映像や、
華人の名前を付けられて苦労したシンガポール人の映像とか面白かったんだけど
アーチストの名前がわからん。