日美〜バロック〜サルガド

日曜美術館を「バロック特集」と「サルガド」と続けてみた。バロック美術は私がはじめて触れた「芸術」だったので大変おもしろく見た。


サルガドは知識として「労働者を撮った人」としてしか認識していなかったのだが、本人解説付き、姜さんのフラットかつ鋭い質問付きで、これまた大変に面白かった。
まずめちゃくちゃ写真がうまい。美しい。
「報道カメラマンとフォトジャーナリストの違い」というのをサルガドが説明していたが、報道カメラマンは、現場にいて写真をとったら帰る、ジャーナリストは一緒にいることが大事、と。よくわかる分類である。そうでなければあんなに美しすぎる写真は撮れないと思う。
美しすぎる難民の写真を前に「美しすぎるという批判はないか」との質問に、
「太陽の光は、豊かな日本やフランスにだけ降り注いでいるわけではない」と。
「労働者や貧困者は醜く汚いのが当然」という社会の目に対する批判でもある。


写真学生とのワークショップでは写真を撮るものとしての、対象への接し方、というソフトの部分と、
「構図、フレーミングにもっと注意を」という技術面の指導とがあった。
シャッターを押すときに画面の隅まで注意しろ、とも言っていた。
それを一瞬でできる才能というか技術力が充分にある人なんだな。フォトジャーナリズムでありアートである(途中出てきた田沼先生が言っていた)という稀有な才能というか、目ですね、それを持っている。
そして、望遠、ワイドレンズは極力使わず、標準で対象を見る。
目に近いレンズを選ぶ、ということやね。


最近友達からオートフォーカスの35mm〜105mmレンズ付のカメラをもらったのだが、便利だけど重いからどうしようと思ってた。撮った写真を見なければなんともいえないけどやっぱりフットワーク軽く撮るにはマニュアルの標準がいいな。機械シャッターだから電池も気にしなくていいし。


どうしてもどうしてもオリジナルプリントが見たくなった。写真をとっているサルガドの映像があったが、かなりコンパクトな一眼か、ライカタイプかだったような。当然フィルムは35ミリだろうからそれをどこまでプリント可能か、そのプリント技術も見たい。こんな思いに駆られたのは久しぶりか、はじめてかもしれない。