九州→奈良美智

夏休みをとって4年ぶりに福岡の実家に帰った。
父親が実家で何か料理をしようとすると、認知症の進んだ母親が何かやろうとして
大変なことになるので、近くの旅館に2泊した。
家にいるよりも父がクルマを出してどこかに行ってる方がラクなようだ。
たしかに、クルマで移動中は母はじっとしてるし。
地元の友達に会ってそういう話をしてるうちに
「健康なオバチャンにならなくてはいけないね」という結論に。
母は前よりもさらに肥っていて、父いわくビールとからあげと炭水化物ばっかり
食べてるそうな。心臓に悪いだろうにと思うものの、
ここまできたら他の健康に気を使ってもなあ、という心境なんだろうか。
認知症の薬を飲んでいる様子は一切なかった。
旅館で母の部屋で20分ほど一緒にいたが、確かに会話は成り立たない。
夫と、私の息子はよく分からなくなるようだ。
85になる叔母の方がしっかりしてた。
最近私は加齢の物忘れがあるから、そのたびに
「これはただの物忘れ」と言い聞かせている。
やっぱ怖いなあ自分や夫がそうなったら。年取ってからやりたいこと
けっこうあるのに。なるべく先送りしないで前倒しでやりたいことやっていきたいものだ。
母は、退職したら、祖母についての小説を書いて自費出版したかったらしい。
退職したらあっというまに認知症が進んだ。



戻ってきて、奈良美智展に行く。
横浜美術館は初期の奈良作品もけっこう持っていて、それに比べたら
幼女は少女になり、たまに「若いお母さん」も出てくる。
とがった表現がそんなに表には出てこなくなっている。
ちゃんと大量に観たのは初めてだったが、面白かった。
なによりかわいいよね。ムスメも夫も気に入っていた。
ポストカードを沢山買って家に飾っている。
見ていた人が「やっぱり最後に怖くなるよね」と
言っていたが、私はむしろ何か安心するカンジなのだが。
いわさきちひろに代表されるこども像の対極を作った、
イオニアだなあ、と思った。なんのジャンルでも開拓者はエライ。