ハーフ芸人

先日のアメトーークは「ハーフ芸人」であった。
川上郁雄先生の本とか読んでる日本語教師の夫と鑑賞。
おそらく、ハーフといっても、見た目が日本人とは違って、というくくりだと思う。
だから、中国韓国とのハーフはいなかった。(業界にはたくさんいると思うが)
一応「日本国籍で、日本で育って、英語できない」と最初に紹介があった。
リロイ太郎くんが3か国語しゃべれるそうだが、後で勉強して習得したようで、母語は日本語のようだ)
まず、彼らはなぜお笑いをやろうとしたのか、ということを考えたのだが、
自己紹介するだけで、生い立ちを話すだけで、あるいは日本語を流暢にしゃべっただけで
笑いが起きたんだろうなと推測する。
だって、自己紹介一巡しただけですごくおもしろかったんだもの。
トークリーダーのデニス植野くんとマテンロウアントニーくんは
エピソードのほとんどが話芸として仕上がっていた。
他の人たちは、エピソードは十分だがまだ躊躇するとろや、
単純にお笑い芸人としてのスキル不足なところがあるのかなと思う。
一人イギリス人とのハーフのペインくん(芸名だとしたらすごいな「痛み」?)は
「イギリスでもなじめず、日本でもなじめず、お笑いでもなじめなかったら終わりやで」、と
紹介されていたが、(父親とのフェイスブックの下りは最高)とても硬い表情で
この先の彼が一番ちょっと気にかかるのであった。


彼らの「あるある」は「移動する子ども」たちが突き当たる壁と同じ。
「合コンでハーフが来る、と期待されて、行ったらがっかりされた」は
フィフィさんも川上先生との本の中で話していた。
あとほぼ日本人に見えるフィリピン人とのハーフの大久保くんは、ハーフ芸人仲間でも
「薄い」といじられていたように、あの集団では立場がやや微妙になるらしい。
彼は何度か「僕も仲間に入れてくださいよー」と言っていた。
ドイツ系のファビアンくんは「僕は見た目が白人だから職務質問されない、
デニスやアントニーが羨ましい」と言っていた。
ハーフ芸人の鉄板をまとめると
・合コンでがっかりされる
・英語できると思われてできないとがっかりされる
・親の出身国のイメージで見られるがその通りでないとがっかりされる
(ブラジル系なのにサッカーできないとか)
職務質問される
・白人系でもあまりイケメンじゃない
等、負のエピソードなんだな。芸人は人との差をどれだけ笑いに変えられるか
という部分があるから、負のエピソードはあればあるほどネタの宝庫になるんだろう。
途中、デニスくんは
「オネエタレントみたいに、一緒にみんなで番組に出たいんです」と言ったのがまた興味深い。
オネエというのもまたマイノリティの集団だよね。
あんなふうにマイノリティである部分で笑いを取ってテレビの中で
一つ「枠」がほしいということなのだろうか。
頑張ってほしいなあ。
オネエタレントが集団で出てる時より
ずっと彼らのほうがおもしろいと思うもの。
以上、私の意見ではなく、見た後に夫と色々語ったことを
まとめました。とさ。

私も「移動する子ども」だった

私も「移動する子ども」だった